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熊を食べる

ジビエ料理が注目されているが、熊鍋は朽木の初冬の楽しみである。 状態の良い熊は、実に旨い。 見た目は脂が多いが、口にすると意外とあっさりしている。 ケモノ臭さは、ほとんど感じられない。 しかし外れると結構ぎびしいものがあるので、良いものが入荷した時を逃さないのがキモである。

小鮎のてんぷら

琵琶湖の鮎は初夏の頃、川を上り始める。 はせ川では、安曇川のやなで捕れた小鮎を生簀で活かしておき、注文するとてんぷらにしてくれる。 生きたままを丸ごと揚げるのでちょっと残酷だか、カリッとした衣、ほのかに甘い身、上品な苦味のワタが織りなす味わいは、初夏一番の楽しみである。

タラの芽の頃

4月も中旬になると、朽木はにわかに慌ただしくなる。 山菜の真打ち、タラが芽吹いて来るからだ。 ふきのとうやこごみに見向きもしなかった地元の人達も、タラの芽には目の色を変える。 それぞれ、お目当のタラの見回りに余念が無い。 こう言った状態なので、タラの芽を採るには注意が必要である。 タラの芽も良いが、僕はやや香りの強いコシアブラの芽が好きだ。 これら木の芽は、やはりてんぷらで頂くのが最高である。

山菜の春

朽木の山菜は、2月末頃のふきのとうを皮切りに、つくし、こごみ、イタドリ、甘草、わらび、たけのこ等々色々楽しめる。 これら春を告げる山菜たちは、草木の目覚めを感じさせてくれる。

栃餅ぜんざい

朽木には栃ノ木が多く、栃餅を作る文化が根付いている。 栃の実は大量に出来るが渋みが強く、口に入れられるようになるまでには、大変な手間が掛かる。 先人たちの「なんとかして食物としたい」という強い情熱を感じる。 このように手間ひまかけて作られた栃餅は、独特の風味があり、揚げ出しやぜんざいにしたり、中にあんこを仕込んだりして、朽木の食文化の一つとなっている。 写真は岩瀬の「栃の実庵」のぜんざい。 とっても大きな小豆を使った、甘さ控えめのぜんざいである。 【お知らせ】 朽木の老舗菓子処「栃の実庵」は2015年末に閉店されました。ほんとうに残念です。

栃の実庵の湧き水コーヒー

良質な水を沸かし、淹れる直前にコーヒー豆を挽く。 この美味しいコーヒー淹れる基本を忠実に実行しているコーヒー店は少ない。 朽木岩瀬の栃の実庵は、すぐ側でこんこんと湧き出る「岩神の湧き水」を沸かし、都度豆を挽いてコーヒーを淹れてくれる。 美味しいわけである。 この栃の実庵、興聖寺の門前にあり一見すると土産物屋さんのようであるが、地元では有名な菓子処である。 【お知らせ】 朽木の老舗菓子処「栃の実庵」は2015年末に閉店されました。ほんとうに残念です。

子持ち鮎の塩焼き

フライフィッシングの対象魚ではないが、鮎には特別な思い入れがある。 言うまでもなく、極めて美味しい魚だからである。 「はせ川」では春の小鮎から秋の子持ち鮎まで、様々な鮎料理が楽しめる。 弾けんばかりの卵を抱いた子持ち鮎は、真打ちを飾るにふさわしい役者である。

イワナのお造り

「はせ川」の、イワナのお造り。 ここイワナは、朽木で手塩をかけて養殖されたものである。 塩焼きにしても、川で泳いていた「天然物」より、明らかに旨い。 天然のものが必ずしも美味しいとは限らない事を、このイワナは物語っている。

冬のはせ川

僕が安曇川に通う理由の一つに、お食事処「はせ川」の存在がある。 第一級の味を手頃な価格で楽しめるこのお店、僕がお連れした全ての人たちを虜にしてきました。 朽木の春夏秋冬の食材を、確かな腕で提供してくれるこのお店。 この地に、このお店がある奇跡に感謝であります。

野点珈琲

昔は川の水をよく飲んでいた。 今でも、上流に民家のない沢ではよく口にする。 沢の水は概して甘い。 沢の水に対して、湧き水は無味無臭であることが多いが、これでコーヒーやお茶をいれると、水道水との違いは歴然とする。 朽木の人たちは湧き水を清水(しょうず)と呼び、大切にしている。 この清水を現地で沸かし、挽きたての豆で点てる野点珈琲は、最高の贅沢である。

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